2012 May

Paris

 
 
5月1日はすずらんの日。パリではこの日は誰でも道ですずらんを売ることが出来る。思い思いのラッピングをしたすずらんを手にした可愛らしい子供たちの姿も。サンジェルマン・デ・プレ教会の前にも例年通り、すずらんの花が溢れている。すがすがしい透明感のある5月の光、眩しい夕方、待ち遠しかった美しい春の訪れ。

 

Paris

 
 
フランスの大統領選真っ只中の今週。週末の決戦投票に向けてテレビの討論会も白熱する。まるでスポーツの試合のリングのような迫力のセッティング。パネルの数字は「どちらがどれだけ喋ったか?」。お互いに自分の主張のみを喋り捲る・・・。

 

Paris

 
 
パリに居てもクリスチャンではない私はなかなか教会の中に足を踏み入れる事はない。敬虔なカソリックのこの国で、物見遊山に教会に入るのはその荘厳さの前で、やはり躊躇される・・・。私の新しいプロジェクトであるチャリティーの活動にゆかりのあるこの、サン・メダール教会。今回はきちんと目的があるので、久しぶりに教会内に入り、荘厳な静けさとキャンドルの燃える音ですっかり癒される。

 

Paris

   
 
 
大統領選も真近、車でエリゼ宮の前を通る。来週には住人が変わっているのか・・・?サルコジまたはオーランドに?

 

Paris

 
 
パリには美しいパッサージュがいくつもある。昔住んでいたアトリエはこんなパッサージュの連なる界隈で、時の止まったような不思議な空間に「パリに居る以上に歴史上の場面に居るよう・・・」と思うこともしばしばあった。古い切手のお店や古本、古い絵葉書を売るお店。蚤の市のマニアック版、と言ったところ。昔よく通った懐かしいビストロも健在で、なんだかほっとする。

 

Paris

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イタリア語で切手のことは「フランコボッロ」と言う。コレは「フランスの印紙」と言う意味で、フランスは切手の発祥の地。その切手文化の奥の深さには本当に驚かされる。不動産屋さんかと見まごうようなショウウィンドウに、価値の高い記念切手が陳列されている。お値段もタイヘンなもの・・・。もう少し近年(と言っても50年くらい前?)の切手は専門家の居る店で「ナンネンの何の切手を探しているのですが?」と訪ねると、驚くべき知識で対応して下さる。目上の方のお手紙をお出しする時、こんな切手をシール代わりに貼るととても喜んで下さるので時々覗いて見る。

 

Paris

   
 
 
パリに住んでいると、建物に歴史上の人物の住んでいた場所や、没した場所などのプレートを見つけて、その人に思いを馳せる事も多いけれど、シュールレアリズムの代表的な画家の、マックス・エルンストが我が家の近くに住んでいた事を、動かない渋滞のさなかに発見する!ドイツ人だけれどフランスに帰化して、サンジェルマン・デ・プレで亡くなったことを知る。

 

Paris

 
 
大統領選の決戦投票の終わった日曜日の夜。我が家はオーランド氏率いる社会党の本部と、サルコジ大統領率いる国民運動連合の本部の 中間点・・・。車での帰宅が遅くなり、通行止めになる直前にサンジェルマン大通りに滑り込む!社会党の本部付近はオーランド氏の勝利にわく有権者たちで ごった返すし、サンジェルマン大通りはオーランドの支持者によるパレードが続く。

 

Paris

 
 
私がパリについたころはミッテランが大統領だった。当時任期は7年で、2期14年という 長い間ずっとミッテラン大統領だったのだ。その後のシラク大統領の間に任期が5年になり、シラク大統領は7年+5年で12年。そしてサルコジ大統領。任期 5年ぽっきりというのはなんとも寂しい・・・。TVでの最後の演説もなかなかチャーミング。

 

Paris

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パリの交通渋滞と慢性のパーキング不足はなかなか深刻。馬車の時代の街に車が溢れている のだから仕方がないとは言え、東京から来た友人が「車で行く?」と気軽に言うけれど、止めるところが無い・・・。ドラノエパリ市長の肝いりで始まった 「VELIB」。ステーションのあるところならどこでも借りられてどこでも返せるレンタ・サイクル。タダでさえ少ないパーキング・ロットが、ある日行って 見るとVELIBのステーションに・・・と言う苦い経験を何度したことか。更に最近始まった「AUTO−LIB」。コレは同じ方式で車が借りられるシステ ム。なんとイタリアのインダストリアル・デザイン会社、ピニン・ファリーナのデザインによるステキな車。でも車族にとってはますます頭の痛いパリの車事情。

 

Paris

 
 
diary index
いよいよ新大統領の就任式の日。信じられない悪天候で、シャンゼリゼのパレードはずぶ濡れ。式典後、初の公務にドイツに向かうチャーター機は落雷の影響でパリに引き返し、大遅刻でのスタート。でもこの国の大統領はきっとそんなことにはぜんぜんメゲない!それほどこの国、フランスで生きるというのは「臨機応変」が求められると思う今日この頃。そしてこのセレモニーの美しさ。どんなことがあっても「敢行できる」と言うことも時には大切なのかも知れない。あくまで、この国では・・・。
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